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「君、時間大丈夫?」
「あっ、もうこんな時間!はぁ、授業面倒だなぁ…」
「ははは、まぁ学生のお仕事は勉強だから。明日も話できるし。」
「えー。」
「なんでそんな嫌そうなんだよ!まぁ、頑張りな、えっと…」
「私は、天野花凛って言います。明日も期待しない程度に待ってますね、河野さん。」
「おう、じゃあ頑張りな、花凛ちゃん。」
私は急ぎで学校の方に駆け出す。きっとあっちにつく頃には息が切れ髪がボサボサだろう。
とても怪しいが、お話がとても面白くまるで同級生のように接しやすい河野三鷹さん。
その次の日から私は彼と毎日のように話すようになった。
初めは河野さんの学生時代の話だったが、だんだん仕事の話や医療系統の話。ひどい時には医療の知識の話なんかもされた。
その中でも1番印象に残っているのは末期患者のお話だった。私は友達が少ないため本を読むことが多くそういう系統の本を読んだことはあったが、その場面に直面した人の話はとても重く、何か考えさせられるところがあった。
そして時は過ぎ、桜も散る時期になった。
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