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「あれ………?」
普段はカッターシャツによって隠されている首の付け根に赤い筋を見つけた。
それは塞がった傷口だった。
五センチくらいの大きな傷………?
青い瞳………。
ーーーなにしてるの?
不思議そうな少年の声。
ああ、そっか。
会った時から感じていた違和感の正体が分かった。
「また、会えたね………っ。」
ボロボロと涙が流れた。
それはいろちゃんの頬に落ち、重力に従って流れた。
名前も知らない、ただあの高台で出会っただけだった。
彼処に行けば君がいた。
親の目をかいくぐって、静かな夜に、満月に導かれ会いにいった。
月の光に照らされて、君は笑った。
「ごめんね、っ……。」
君を傷つけたのは紛れもない俺だ。
将貴と三人で遊ぼうなんて言わなければ。
雨が降り始めた時に引き返せば。
俺が星を見たいなんてごねなければ。
きっと、俺は君と今でも一緒に居られたのかな?
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