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夢の中なら
七瀬月子は十七歳の女子高生。明るくて、可愛くて友達も多い。
彼氏には同じクラスで学年一のイケメン、千石航。航はサッカー部のキャプテンで人望も厚い。
大好きな彼氏と沢山の友達に囲まれて、月子は絵に描いたような、キラキラな高校生活を送っていた。
「ねぇ、航。もうすぐ誕生日だよね?何か欲しいものある?」
いつものように航の部活が終わるのを待って、二人で下校していたある日。もうすぐ誕生日な航に何をあげていいのか分からず、月子は思い切って欲しいものを聞いてみた。
「月子。月子が欲しい」
「え?何言って・・・」
すると航は月子を抱きしめ、耳元で呟く。
「誕生日、俺は月子の全部が欲しい。月子すべて、俺にくれない?」
「ちょっと待って、それって・・・」
「だめかな?」
「・・・ううん、だめじゃ・・・ないよ」
月子がそう言うと航は、
「ありがとう」
と優しく微笑み、そのまま甘い甘いキスをしてきた。
(誕生日、緊張するけど航となら・・・)
緊張と幸せが入り乱れた気持ちで、航に唇を預けていると、
ジリリリ、ジリリリ!
大きな音が鳴って、月子はそのまま意識が遠くなっていく。
(ああ、嫌!航と離れたくない!)
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