関わり

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関わり

彼女を初めて見たのは雪の日だった。 その日、皆が鉛筆をカリカリと走らせる音を聞きながら、俺はふと手を止めた。テスト用紙に名前を書き忘れたことに気づいたのだ。 室伏勝己。むろふしかつき、とふりがなも忘れず書く。 ずっと下を向いていて肩と首が痛むことに気づいて、首を回しながらゆっくりと外を向いた。 強い風が吹きながら耳障りな唸りを上げ、雪は舞い落ちるなんて表現より地面に叩きつきるような勢いで沈んでいる。教卓近くのヒーター以外の暖房器具がない教室は寒く、一番後ろの席の俺はかじかんだ手を擦り合わせながら息を吐きかけた。 地元で唯一の工業高校。その受験日、二時間目の数学。 見下ろしたテスト用紙は1/4ほど空欄を埋めたところで手を動かせない。 ちらりと壁掛け時計を見上げると、残り時間は35分。これだけ時間が残っていても解ける問題はほとんどない。残念ながら数学は苦手だ。得意な国語で巻き返すしかなさそうだ。     
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