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「始める時と終わりは必ず挨拶と礼をする。お願いします、ありがとうございました、ってな」
「……はい」
思ったよりキッチリするんだな。ただの遊び半分かと思ったのに。
ふぅ、と軽く息を吐くと、鈴木さんは俺の肩をぽんと叩いた。
「緊張しなくても良いぜ。俺が横からアドバイスしてやるから」
「少しだけだぞ。基本的には楽しんで貰う為にも室伏くんにしてもらうから」
正直、然程やる気はないけど、ゲームは好きだしやるからには勝ちたい。
体育で野球やサッカーをやるような感覚だ。勝てたら嬉しいけど、負けたら悔しい。毎日部活で頑張ってるヤツに一対一では勝てないけど、ハンデを貰えたら勝てそうな気がする。今、そんな気分。
今回俺は助っ人と時間というハンデを貰ってるし、勝てるかも。
「お願いします」
互いに頭を下げると、鈴木さんはぽんと時計を押した。
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