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正孝さんの睨みにも怯まず創介さんはまた続ける。
「オヤジと心中するつもりで恐怖を無くすために自ら飲んだとしたら?フライトレコーダーに不審な会話が入ってるとか?」
「だとしたら警察も久保田犯人の線で話するだろ?なのにわざわざわたしたちに聞きに来るなんておかしいじゃないか!?」
「そっか...言われてみれば」
創介さんの説に意を唱えた正孝さんの意見にすぐ納得し興味を無くす。
そんな彼の姿が私には何か引っ掛かった。
(相続のことも父親の死にも興味がありそうでないような...。仕方なくこの場に居るだけで、事の真相もお金も別にどうでもいいように見えるのは私だけ?)
「フライトレコーダーの中身を明かさず聞き込みに来たのは捜査の筋を悟られないためかもよ?」
今度は亜星さんまで言い始める。
「家族なのに悟られないためとは?そんなことに理由が?」
また正孝さんだけが食いつく。
「父さんに死んで欲しい誰かが久保田を使ったのかも、とか?」
「その内容が入ってたと?」
「ま、可能性の一つね」
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