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火事で亡くなった母をまた火葬することに苦しみながらもひっそりと葬儀を終え ...小さな箱となってしまった母と共にトッコの家へ帰る。
首には母の形見を唯一下げて。
(これからどうすれば...)
家から通うつもりだった就職先の寮に入るしかない。
帰る家の無くなった今の私には。
トッコは“このまま住みなよ”と言ってくれたが、就職先に通うには遠く、いつまでも世話になるのも心苦しい。
職場に連絡して入寮の手続きをお願いするしかないと考えていたある日、また見覚えのない電話番号から私の携帯に連絡が入った。
柔らかい声でゆっくり話す年老いた男性からの一報。
その人は母と古い友人であり弁護士だと名乗った。
母から遺言書があると聞き、私は会う約束をした。
母が遺言?そんな物遺す必要が無いはずなのに...何故母はその友人の弁護士にそんな物を預けていたのか...。
母にそんな友人が居たことも知らなかった私はその人に会うため教えて貰った住所をメモした。
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