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“違うと思うけど?”なんておどけた感じで亜星さんは口を閉じた。
「父に死んで欲しいやつなどこの中に居ないだろ?ましてや久保田と親しいやつも居ないのに...」
何かを頭の中で巡らし一人考え始めた正孝さん。
全員が黙りこくった時
「父さんの事故が事件だったとしても、相続に影響はないだろ?」
「「「...!!」」」
静か過ぎるくらい黙っていた諒さんが冷静な意見を放った。
「そりゃ父さんの死が事件だとして相続に影響ないとしても、その言い方ちょっと冷たいんじゃない?
諒兄は相続さえ出来れば父さんの死の真相はどうでもいいってこと?」
さすがに気分が悪くなる発言だったのか亜星さんが食いついた。
「どうでもいいという訳では無い...ただその二つは別物だと言いたかっただけだ」
「ってことは諒兄も漏れずに相続に乗り気ってことだよね?正孝兄と同じで」
「...」
「桃花ちゃん?」
「は、はい!」
いきなり呼ばれ声が上ずる。
「皆君と結婚したくて仕方ないみたいだよ?」
「はぁ...」
「皆とは?お前もか?」
正孝さんが冷たい目で亜星さんを見ていた。
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