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「当然だろ?僕が桃花ちゃんに選ばれれば一生働かなくて暮らせるんだよ?それに正孝兄や諒兄を使う立場になるんだし」
「何?!」
「...!」
亜星さんの突然の宣戦布告に兄二人の顔色が少し強張った。
「創兄は?立候補するの?」
「別に...どうでもいい」
「そうなの?相続した金でバンド好き放題だよ?」
「うるせーよ!」
「じゃ、今のところライバルは二人ってとこだね。桃花ちゃん宜しく!」
可愛らしい目で誰よりも恐ろしいことを言い出した亜星さん。
兄たちの存在を意とも思わないのか?その自信がどこから来るのか?私は不思議だった。
(どっと疲れた...)
親睦お茶会も刑事の登場で変な空気になり、さすがにすぐお開きになった。
あの重い空気から解放されたくなった私はまた庭を散歩しようと玄関から出た。
「はぁー!一日が長いよ!まだおやつ時だし...長い...」
とぼとぼと歩を進めぐるりと一周しようかと裏手の温室方面へ向かった。
(あ、そういえば奥様の離れ家気になってたんだ。
私一人なら大丈夫って洋次君も言ってたし...行ってみよう!)
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