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「一人しか知らずに操を通すこともないだろう。だからわたしを選べば自由な日々が手に入る。良いことずくめだと思わないか?」
良い条件をチラつかせまるで契約を結ぼうとするかのように手を組み合わせ前のめりに話してくる。
でも私にはそれは良い条件とはとても思えない。
「私が誰かを選ぶことによってその方の人生がとてつもなく変わるかもしれません、だからこそ私はちゃんと一人一人を知りたいです。
いい思いをしたいとかじゃなく...心から好きになれるかどうかを」
「わたしたちの誰かを好きになると?君のことを誰も好きにならなかったとしてもか?」
「そうですね...好きになってもらえるかは分かりませんが、せめて私くらいはその方を見定めたいです。
好きになった人が...本当は酷い人だったなんて悲しいですから...」
「...」
私は先日別れた元彼のことを思い出していた。
2股ならともかく6股なんて...私の見る目の無さ、彼氏の本当の姿を見抜く力の無さ、私一人を愛してもらえなかった魅力の無さに項垂れた。
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