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慌てて服を整えドアを開けると、ポニーテール頭の中年のメイドが立っていた。
伏し目がちに構えているが化粧が他の人より少し濃いような...。
ラメ入りアイシャドウにつけまつ毛、唇なんかはグロスでテカテカしている。
この人なんでこんなに派手メイクなんだろ?と首を傾げるくらい違和感を感じた。
「桃花様、ダイニングの方へ」
「あ、はい」
彼女の後を追うように階段を下りていく、すると私の後ろから同じように四兄弟もダイニングに向かい出て来た。
一日出られない窮屈さと、それぞれが抱えるそれぞれへの思い。
それがこの場に滲み出るかのように空気を澱ませる。
そんな食事を終え部屋に戻ると
「はぁー疲れた!堅苦しいというか空気が悪いというか!」
ベッドにまた体を横たえ天井を仰ぐ。
(これからどうなるんだろう...誰か一人を絶対に選ばなきゃいけない?拒否権も無ければ違う人を選ぶことも許されないんだろうな...。
こんな話トッコが聞いたらどう思うかな...)
電話しようかと思うも私の瞼は重くもう開けていられなかった。
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