不可視物管理課

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 船越によって揺らされる車体。車内が揺れすぎると運転にも影響が出るのだが、そんなことよりも昨日の彼氏の態度が気に入らないと主張を続ける船越。言っても聞いてくれないとしぶしぶ返答を返す梶原。 「でもそれだけで別れちゃったってマジすか? 結局どっちも譲らなかったんですか?」 「譲らなかったわ。私もアイツも」  彼氏はどれだけ船越の料理を食べたくなかったのだろう。そこまで食べたくない料理とはどんなものなのだろうか。そして船越は現在二十七歳と聞いている。女性では婚期も少し危うい時期のような気がする。 「ど、ドンマイっす!」  色々な事を想像したうえで、やっと梶原が出せた言葉がそれだった。なんの慰めにもなっていない。 「今ここでじゃ全部吐き出せないから飲みながら話したいのーーーーっ」  再びガクガクと梶原の肩を揺らす船越。わかりましたと諦めたように言葉を返す梶原。 「じゃあそろそろ着きそうなんで準備始めましょう。タブレットは持ちましたか?」  目的地までもう少しで着きそうなことを確認し、準備を始める梶原。はぁいと元気のない船越も現地で使う道具を確認し始めた。
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