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「 私 なんか分かる気がします 休日なんか午前中と昼間と夕方前だと同じ明るさなのに雰囲気違いますよね 特に夕方前の明るさは物寂しい感じに思うことがあります 」 「 休日と言っている時点でツクの場合は気分的な問題のような気がするがな それでも光の向きや角度から本能的に日が暮れて一日が終わろうとしていることを察知しているんだろう それでどうなったんです 」  三刀小夜が山代に話しの続きを促す。 「 気がついたら殆んど駆け足になっていました なのに振り払えない 着いて来るんです いや 追って来るのです おかしな話だとは自分でもわかっています 一本道の登山道で後ろから人が来ただけです 過去に後ろから来た速歩きの人に挨拶を交わし追い越された事など何度もあります なのに怖いんです 追いつかれたらダメだと思ってしまうんです 」 「 本能的にそう思ってしまうんですね 」 「はい するとすぐ後ろで声がしました もうすぐそばまで来ている 私は焦りました その時少し先に腰の高さほどの何体かの地蔵が並んでいるのが目に入り私は急いで駆け寄り地蔵の裏に身を隠したんです 馬鹿だと思います 地蔵の裏に隠れているのが丸見えなんですからね 」 「 丸見えなのですか 」     
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