その大陸の大気圏には奇妙な黄色の浮遊物が浮いていた…

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「お、あれは以前別の大陸で見た儀式と似ているのう。  確かあれは亀のこうらを使っていた…。」 ユクユクの発言に、ハルバルは尋ねる。 「…で?それで、どうなるんだ?  あれだと土器が割れると思うんだが。」 それに対し、ユクユクはうなずく。 「割れる。その割れ具合で吉凶を占うんじゃ。」 その瞬間ズドンと言う派手な音がし、土器は粉々に砕け散った。 髪は爆破に寄って焦げたのか今や漫画みたいなアフロヘアへと化している…。 「…えーっと、こういう場合は…。」 そうして、スキャンした石版の文章を読んだユクユクは ひとつうなずくとこう言った。 「『どうしようもないほどのはずかしめと、むごたらしい死』じゃな。」 それに対し、ミス・リリーはぼそりと呟く。 「あーあ、死にましたわね。」 ロアッカ族は大いに沸き立ち、Dr.ハンガーを木から降ろすと そのままどこかへと持ち運んで行く。 「遺跡へと連れて行かれるんじゃろう。 『血の穢れを嫌うため、日没を待ってから殺す。  それまで唾棄すべき敵には最後の食事をふるまう』とある。」 そこまで聞くと、ハルバルは眉をひそめる。 「…んん?となると、それまでDr.は生かされていると。」 それに対し、ミス・リリーは大陸時計を見てうなずいた。 「…今は早朝ですから、日没までまだ大分猶予がありますことよ。」 すると、ユクユクもうなずいてタブレットを閉じる。 「…となれば、今は船の修理が優先であるからして、  このまま修理に使えるものを探した方が建設的じゃな…どうする、船長。」 しばらくの沈黙。 そして、ハルバルはひとつうなずくとこう言った。 「よし、Dr.の救出は後回し、先に船の修理材料を探しに行くぞ!」 そうして、一行は先へと進む。 その向うでDr.の助けを求める声が遠く聞こえた気がした…
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