第二章:きっかけ

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(優奈さんは何歳なのだろうか?30台前半ぐらい?) 参加者名簿を提出してもらっているので住所、電話番号、メールアドレスは把握している。 が、宏次も優奈と同じく、行動には移さなかった。 毎年3月になると、参加依頼のメールを送る。 参加希望の返事が来る。 その他、2、3回メールのやりとりをしてゴールデンウィークを迎える。 そして、宏次にとっても1年に3日間しか会わない片思いの再会が始まるのだ。 ふんっ、まるで七夕みたいだ。 宏次は思った。 もし優奈さんがこの家のキッチンに立ったら・・・ 対面キッチンの向こうからあの笑顔でボクを見つめてくれたら・・・ リビングのドアを開けておいたらキッチンが見える。 玄関のドアを開けて入ってくるボクに「おかえり」って言ってくれたら・・・ リビングに置いてあるソファに寝そべりながら、ついそういう空想にふけってしまう。 (ふんっ、ばっかばかしい。優奈さんがボクなんか相手にするわけがないじゃないか。  ボクはもう50歳のおっさんだぜ) 思い直し、冷蔵庫から出したビールをごくりと飲むと、DVDをセットして映画を見始めた。
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