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連絡してみようか・・・
でも、そうすればふたりの関係が始まってしまう。
優奈は悩みに悩んだ。迷いに迷った。
20歳の頃に知り合った彼、亮太とはほんとうに仲のいい友達だった。
男女5~6人でドライを楽しんだり飲み会をしたり。
次第に優奈は亮太に惹かれていた。
そしてそれは亮太も同じだった。
でも、亮太は何も言わない。
優奈も自分からは告白しなかった。
亮太は、優奈の両親が営む会社の社員だった。
そしてその事務を優奈が手伝わされることになる。
優奈は分かっていた。
このまま亮太と結婚することになれば、一生親に縛られたまま
いいなりの人生を歩まなければいけないことに。
優奈は両親の、特に母親の強引なやり方に内心は嫌で嫌でたまらなかった。
「繁忙期だから」と母が言うと、休みはなくなった。
出勤時間も母が決めた。
優奈はもう、何も言う気力がなくなっていた。
一言意見を言えば、10倍になって返ってくる。
そしてその結果は、絶対優奈の思ったとおりにはならなかった。
そんなときに現れたのが、和也だったのだ。
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