第四章:優奈の状況

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連絡してみようか・・・ でも、そうすればふたりの関係が始まってしまう。 優奈は悩みに悩んだ。迷いに迷った。 20歳の頃に知り合った彼、亮太(りょうた)とはほんとうに仲のいい友達だった。 男女5~6人でドライを楽しんだり飲み会をしたり。 次第に優奈は亮太に惹かれていた。 そしてそれは亮太も同じだった。 でも、亮太は何も言わない。 優奈も自分からは告白しなかった。 亮太は、優奈の両親が営む会社の社員だった。 そしてその事務を優奈が手伝わされることになる。 優奈は分かっていた。 このまま亮太と結婚することになれば、一生親に縛られたまま いいなりの人生を歩まなければいけないことに。 優奈は両親の、特に母親の強引なやり方に内心は嫌で嫌でたまらなかった。 「繁忙期だから」と母が言うと、休みはなくなった。 出勤時間も母が決めた。 優奈はもう、何も言う気力がなくなっていた。 一言意見を言えば、10倍になって返ってくる。 そしてその結果は、絶対優奈の思ったとおりにはならなかった。 そんなときに現れたのが、和也だったのだ。
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