28人が本棚に入れています
本棚に追加
和也は、明るくはきはきとしたさわやか系の男性だった。
優奈よりふたつ年上。優奈の両親の会社の取引先の営業マン。
当然、優奈とも言葉を交わすようになった。
2年ほど経ったころ、優奈は和也を含む友達たちとお花見をした。
和也は会話がうまく、周りのみんなを楽しい気持ちにさせるのがうまかった。
(こんなひとと結婚する女性は、毎日楽しいだろうなぁ)
と和也をまぶしい思いで見つめながらそう思った。
和也のおかげですごく楽しくて、すっかり酔っ払って帰宅した優奈。
シャワーを浴びて、さぁ寝ようというときに電話が鳴った。
出てみると、和也だった。
「どうしたの?」
半分眠たい。
いや、ほぼ眠りかけている優奈。
「がんばって2年で貯金するからぼくと結婚してくれませんか?」
突然のプロポーズだった。
お花見の席で、ちょっといいなと思ったひとからプロポーズされたのだ。
優奈だって、普通に嬉しかった。
「うーん・・・・・大事にしてくれるならいいよ」
と言って電話を切ったような気がしていた。
翌日もその翌日も、何も起きなかった。
だから、夢なのかな?と思うこともあった。
(うん。あれは夢だ。和也さんが素敵に見えたからあんな夢を見たんだろうな)
と結論付けた。
最初のコメントを投稿しよう!