第一章:出会い

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「あり・・・」 と言いながら宏次の顔を見たとたん、優奈の鼓動は 「トクン」 と音を立てた。 宏次はうつむき加減で、真剣な表情で優奈を見つめていた。 その目つきは、まるですねた子供が愛に飢えているようだ。 「どうしましたか?」 優奈が尋ねても目をそらさない。 とうとう優奈の方が目をそらしてしまった。 「あっ、失礼しました。ある人にとても良く似ていると気づいたもので。」 顔を赤くしてしきりに失礼を詫びる宏次。 優奈の占いは、誕生日を聞いて占う。 だから年齢も必然と分かってしまう。 目の前の男性はもう50歳。そんな大の大人が顔を赤くして照れている。 その瞬間、優奈のこころの隅っこに 宏次がするりと入ってきてしまった。
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