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優奈も話を聞いて欲しかった。
同じ悲しみを持つ人と、悲しみを分かち合いたかった。
和也の両親は健在だ。
だからなのか、優奈の悲しみを理解できないのだろう。
「あぁぁ、釣りに行きたいなぁ」
などど無神経な言葉を発する。
優奈は、宏次に会いたかった。
しかし、実行には移さなかった。
(始めてはいけない。亮太と同じになる。
始めたら、必ず終わってしまう。宏次さんとはこのままがいい)
そうしてまた、イベントの季節がめぐってきた。
もちろん、今年も参加の意志は伝えていた。
当日。
優奈の姿を見て宏次は驚いた。
少しふっくらしていた頬がげっそりっとし、ひとまわり小さくなったように見える。
もともときゃしゃだったが、手足も細くなってしまっている。
(いったい、何キロ痩せたのか・・・そんなに悲しみが深いのか)
宏次は優奈を見るのが辛かった。
優奈は辛そうに自分を見る宏次のこころの中を悟った。
(宏次さんもお父様を亡くされて、本当に辛かったんだわ)
イベント最終日、宏次は優奈に声をかけた。
「お茶でも飲みませんか?」
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