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「お茶でも飲みませんか?」
宏次に誘われ、優奈は微笑んでしまった。
その淋しそうな微笑に、宏次の胸も痛くなった。
(ボクが少しでも悲しみを小さくしてあげたい)
「車を取ってきます。海の見える喫茶店があるんです。」
宏次の運転する車の助手席に座り、優奈はドキドキしていた。
ハンドルを握る手、指、宏次の横顔を見ると胸がときめく。
「優奈さん、なかなか連絡がなかったので、ものすごく苦しんで
いるんじゃないかと思っていたんです。大丈夫でしたか?」
優しい声をかけられ、優奈の目にみるみる涙があふれてきた。
頬を涙が伝う。
そのうち、泣きじゃくっていた。
宏次は何も言わず、泣きじゃくりながら一生懸命悲しみを訴える優奈の話を聞いた。
1時間ほどドライブしたが、優奈の悲しみの話は終わらない。
ハンカチはもうびしょびしょになっている。
いつしか日は暮れ、星が出てきた。
宏次は車を山に走らせ、夜景が見える公園で車のエンジンを切った。
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