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宏次のコミュニケーション能力の高さによって、数々のイベントは成功し
また、少しずつ規模も大きくなっていった。
何より、継続させているパワーはすごいことだと優奈は思っている。
「好きなことにはものすごく夢中になる、しかし一方で飽きっぽい」
という性格は、数々のイベントを計画することに向いているかもしれない。
毎年呼んでもらい、たった3日間の、それも挨拶するだけの間柄。
優奈はそれだけで満足だった。
こころの中でときめいているだけなら何も、誰にも迷惑はかけないのだから。
イベントは海辺で開催されるので、宏次はいつもサングラスをしている。
紫外線がまぶしいのだろう。
そして、優奈のブースの前を1日に何度も通り過ぎる。
歩いているときには声をかけてくれ、
自転車で颯爽と行き過ぎることもある。
優奈はそんな宏次を気づかれないように目で追っていた。
宏次の姿を目の端にとらえると緊張が走り
お客さまへの対応も精一杯な笑顔になるのだった。
いつも。
毎年。
1年の間3日間だけの、片思いの彼との再会。
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