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そのさりげない仕草を見たとき、
(これは、本気で好きになっちゃうやつだ!)
と確信した。
――――――
朝食を食べ終え、優奈はまた寝室に戻った。
そしてベッドに身を横たえた。
程よく硬いスプリング。
布団で寝ている優奈には新鮮だった。
(いい気持ち・・・・・居心地がすごくいい)
そのベッドは、離婚してから購入したのだと聞いていた。
「広い空間にぽつんとベッドがひとつだけじゃ淋しいから
ふたつ買ったんだ。」
と宏次が説明していたとおり、ベッドがふたつあることで
この部屋のレイアウトが整っている。
優奈は少しの時間、まどろんだ。
とても幸せな気持ちだった。
毎晩、ここで宏次さんと眠れたらと考えたら涙が流れ出し
また泣いてしまった。
宏次とこうして幸せな時間を過ごすことによって
優奈は泣き虫になってしまった。
宏次を好きになればなるほど、取り戻せない現実に絶望する自分がいた。
しばらくしてメッセージが携帯に届いた。
宏次からだった。
「おはよう。よく眠れた?ボクは昨夜、とても嬉しくて幸せだったよ」
携帯を握り締め優奈の頬を、また涙が伝った。
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