第八章:同居

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帰宅した優奈は、和也に 「友達の家で酔っちゃったから泊めてもらった」 と嘘をついた。 ドキドキしたけれど、和也は疑う様子もなく 「心配するから、連絡だけはしろよ」 と言ってすぐスマホのゲーム画面を操作し始めた。 最近は、お風呂でも食事中でもスマホで何かしている。 何をしているのか覗こうとすると、さりげなく画面を隠す。 お酒を飲んだ勢いで、わざと 「私よりもっと若い子と再婚して、子供を作ったらいいじゃない」 と伝えても表情も変えない。 (いったい、何を考えてるのか分からない。定年時に  亮太とのコトを持ち出されて離婚を言い出されたら、  私の女性としての“性”は散々なものになっちゃう) とひとり考えてみるが、どうすればいいのかまったく分からない。 宏次とのデートは相変わらずで、色んな所に連れて行ってくれ 刺激を与えてくれることも変わりない。 いや、 あの夜から時々、宏次の家に泊まるようになっていた。
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