第八章:同居

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それからの日々に何も変化はなかった。 優奈の表情、体つきがどんどん女らしくふっくらしてきたこと以外は。 和也も気づいているだろうが何も言わない。 宏次は、自分の気配を消しているつもりのようだったが もう優奈は、和也から「社会的に抹殺してやる!」とまですごまれているのだ。 それを優奈は宏次に言い出せないでいた。 ただ、季節が過ぎていった。 優奈は宏次を必要とし、宏次も優奈の存在に励まされた。 宏次には家のローンという大きな借金があったし、前妻との間に子供もいた。 もしかしたら、破産宣告をしなければいけないかもしれないとも思っていた。 優奈に離婚をさせ、宏次と一緒にイバラの道を歩ませるのはしのびなかった。 そんなことを優奈に打ち明けられるはずがなかった。 ふたりは、ふたりの時間を過ごし、お互いの気持ちを大切に過ごしていった。 もちろん、会えない時もある。優奈の体はひとつなのだ。 なんどか和也に離婚を切り出していたが、ことごとく無視された。 強行突破も考えたが、40歳を過ぎると、それはとても勇気が必要なのだった。 (若いっていいな。将来がばら色に染まってて) 優奈は空を見上げてはため息をつく。 優奈も宏次も、お互いを思いやるほど、将来を口に出せないでいた。 ふたりは、ふたりだけの時間を過ごし、お互いの気持ちだけを大切に過ごしていった。
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