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これが正解なのかどうかは分からない。
また、どんな夫婦の生き方が悪いのかも。
ある日、帰宅した宏次に
「こうちゃん、おかえりんご♪」
と言って抱きついたことがあった。
宏次は嬉しそうな顔をして
「ただいマンゴー」
と返してきた。
それがおかしくて、ふたりで笑ってしまった。
こんなたわいもない、普通のことが幸せなのだ。
「何もない」ことがいちばん幸せなのだと、優奈は宏次に教えてもらった。
いつ、何が起きるか分からない。
――― 一緒にいて楽しいひとより、一緒にいないと淋しいひとを選ぼう ―――
(これも誰かの言葉だったっけ)と思いながらふたつの家を行き来する優奈。
和也の待つ家に帰るとき、宏次のことを考えて涙を流す自分
宏次の待つ家に行くとき、和也のことを考えて何の感情も湧かない自分
――― 一緒にいて楽しいひとより、一緒にいないと淋しいひとを選ぼう ―――
優奈の気持ちは固まっていった。
完
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