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ごめんね。
これはわたしだけのベッドなの。
どんなに超絶イケメンでも好みじゃないの。
そこがやっぱり人と違うところ。
別に家具の紹介でもなく、普通の雑誌で見て一目惚れしたベッドは。
庶民のわたしなんかでは到底手に入れることも叶わない。
ましてやベッドを買ったところで置く家がない。
だからあなたと結婚したの。
子供だって欲しい訳じゃない。
ベッドが欲しかったの。
だから、貧乏だったけどまあまあ好みの彼氏とも別れてあなたと結婚したの。
ベッドが手っ取り早く手に入る、家もお金も持ってるから。
愛?
そんなものないわ。
お金も正直そんなにいらない。
食べることも大して興味ない。
お酒にも興味ない。
洋服にも興味ない。
この。
ふかふかのベッドがあれば。
このベッドで毎日ずっと。
家事もなにもせず。
ましてや働きもせず寝ていられるなら―――。
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