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その坂道を山嵜と勢いに任せ足早に下ってゆく。
「なんか最近恭本変わったよな」
山嵜がぽつりと言う。
「何が?」
「なんか小学校の時はもっと俺らのやんちゃに付き合ってくれてたのに、なんつーか…クール?ていうか?」
「クール?」
「うーん…ていうか、ノリ悪いっていうか、そんな感じ」
「ノリ悪いってなんだよ」
山嵜は小学校からの親友だ。小学校時代のクラブが一緒だったり背の順も前後だったりをきっかけになにかと気が合い、学校では大体一緒に過ごしている。だから俺も山嵜のことは良く分かっているし、山嵜も俺のことは良く分かっている。
その山嵜から見て俺が変わった?
自分では思い当たらないけど。
「そう言やこないだ女子テニス部のやつらも話してたな。「恭本最近クールでちょっとカッコ良いのよね~」って」
「その気持ち悪い女言葉やめろ」
女子より女っぽいしなを作る山嵜に突っ込む。
「えー?女テニに「カッコ良い」とか言われてるってめちゃめちゃ羨ましいことなのよぉ!」
「気持ち悪いからやめろってのに」
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