76人が本棚に入れています
本棚に追加
「貴女のカギが持つ神のチカラが…貴女の事を守ろうとしたのね。」
ゲルダは落ち着いて眠りについたようだ。
カイはゲルダの暴行と強姦を謝罪し、私に暖かいミルクを淹れてくれた。
カギの光は、すぐに落ち着いた。
次の世界に引き込まれなかったということは…この世界にはまだ訳があるということなのだろうか?
「ゲルダちゃんは…人間になりたい言っていました。カイくんと共に。」
「………それは、無理ね。」
「どうして?神なら願いを叶えてくれる。私には無理だけど、彼女なら…!」
「違うの。『神に祈った結果』が、この世界なの。わかるかしら?」
「…神が、すでにこの世界に?」
カイはニッコリと頷いた。
「そう。人間だった頃…アタシは、まだ『俺』だった。ゲルダと共に、あの村で暮らしていて………。」
カイは昔話をするかのよつに、懐かしそうにひとつひとつを教えてくれた。
その内容は童話雪の女王のストーリーとほぼ同じで…
ただひとつ違う点は、
「『俺』はあの時…すでに死んでいたんだ、ゲルダと共に。」
カイとゲルダが、一緒に村に戻ることはなかった、という悲しい結末だった。
最初のコメントを投稿しよう!