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「氷漬けになっていたようなもんだからね。いきているようで死んでいたんだ。まるでミイラみたいに。
ゲルダもこの城で息途絶えそうになった。そんな時俺の前に現れたのが…」
「…神、なのね。」
「そぉゆーコト。俺は神に『ゲルダを助けて』って頼もうとした。
そしたら欲が出ちゃって…『ゲルダと共に生きたい。どんな姿に生まれ変わってもいい、どんな辛い生活になってもいいから…ゲルダのそばに居たい。』ってお願いした。」
その願いが叶った結果が…
人外としてふたり共に生きるというこの物語になったようだ。
「そして!アタシも生まれたのよ。」
「なんでまた、オネェなんです?」
「さあ?神のいたずら、と言いたいところだけど….多分人間だった頃の精神の弱さが影響してるんじゃないかしら?」
「はあ、なるほど…。」
「ゲルダちゃんの願いがもし叶ったら…アタシ達はまた死んじゃうから…。
だから、このままでいいのよ。ごめんなさいね。色々と。」
そう言いながら、カイは愛おしそうに寝ているゲルダの頭を撫でる。
おでこにやさしくキスをして、それから髪の毛を整えた。
「こうして、この子と一緒に生活してる。今が幸せなんだと思うわ。」
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