恋の夢

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一言で言うなら今日の占い一位は伊達じゃなかった。 「……えっと今週の日曜日、駅前に集合で大丈夫か? 」 「わ、私は大丈夫だよ」 彼は後頭部を掻き、「……じゃあまた、夜連絡する」そう言い足早に駅へと消えていった。 彼は電車通学で私は徒歩だから、ここでお別れだ。 彼を見送り、自身の帰路へと戻る。 そうして歩いていると自然と口元が緩んだ。 凄く嬉しく、そしてなにより楽しみだった。 好きな男の子と遊びに行ける事がこんなに心が高鳴る物だとは思っていなかった。 (やっぱりこの感じ夢とは違うなぁ。……夢の中とはシチュエーションが違うけど) と夢でキスされそうになったのを思いだし赤面する。 慌てて頭を振り邪念を捨て、当日のことを冷静に考える事にした。 (あ、なに着ていけば良いんだろう? ……お化粧とかもしなくちゃいけないのかな? したことないけど。 うわっ、私の女子力低すぎ……? ) なんて思いながらもニヤニヤが止まらない。 きっと今度の日曜日は楽しい一日となるだろうと私は確信する。 私の帰宅までの足取りは驚くほど軽やかだった。
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