恋の夢

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夕日の差し込む放課後の図書室に二人は気怠そうに座っていた。 「私今日占い1位なんだよ。良いでしょ? 」 栗色の髪を垂らし、両目を隠すような髪型の小柄な少女―――夢守院(ムスイン)玲美(レミ)―――は黒髪の目付きの悪い少年に話を振る。 「へぇ、なんか良いことあったか? 」 「いや実はまだなにも……」 「俺占いとか良く分かんないけどさ。あんま影響されるのも良くないと思うぞ」ふわぁと欠伸しながら―――武野蓮(タケノ レン)―――はパイプ椅子の背もたれに体重を預けながら伸びをする。 「べ、別にそんなに影響されてないよ。……にしても眠そうだねぇ」 「まあこうも人来ねえとやることねえしな。というかもう閉めて良いだろ早く帰らせろ」 「凄く分かる。……でも委員だし仕方ないね」 それを聞いた蓮は唇をへの字に曲げ不服そうな表情を浮かべる。 玲美はそれを横目で一瞥し、小さく欠伸をすると「……なんか眠いし、寝るし」そう言い机に突っ伏した。 「って寝るのそっちかよ」蓮は軽くツッコミをいれながら、椅子から立ち上がる。 近くの棚から本を取ると、席に戻る。すると玲美はすーすーと寝息を立てていた。 「本当に寝やがった。……まあ俺が起きてたら良いか」と蓮は取ってきた本を頬杖つきながらパラパラと捲る。 それから数分が経ち、ページの捲る音が止む。パタンと本が閉じられる音と共に寝息が1つ足される。 図書室は2人の寝息だけとなった。
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