67人が本棚に入れています
本棚に追加
「大変そうだね」
ツクツクと兎小屋にあった石をツツいていたら、頭上から声が聞こえた。
顔を上げると……。
「お久しぶりです」
目の前には、爽やかな田口先輩がいた。
「噂聞いたよ……。って、本当だった感じ?」
「へ?」
私の首すじに視線が移ったと思ったら、先輩は固まった。
え?
えっと……。
「春日部のこと、セカンドにしたの?」
「春日部?」
「春日部トオル」
あ、そう。
トオル先輩の苗字なんか、知らなかった。
「いや、その…。よくわからないうちに…」
「え?」
先輩が、驚いた顔をする。
「よくわからないうちに、セカンドにしたって…どんな状況?」
そう、言われても…。
「セカンドって何ですか?」
「は?」
「誰も教えてくれなくて」
すると拍子抜けしたのか、先輩は笑いだした。
最初のコメントを投稿しよう!