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「あ~あ。うちらも、二年生か…」
前の席で、彼女は唇を尖らせる。
胸まである栗色に染めた髪を、指先でクルクルと弄びながら。
「このままだと、あっという間にお婆ちゃんになっちゃうじゃん」
そんな、気の早いことを…。
「ちょっと、聞いてんの?」
「あ、ごめん」
「もー」
「亜里沙(ありさ)は、何してても可愛いなーって、思ってさ。本当、羨ましいわ」
「はー?真顔が可愛いあんたの方が羨ましいわ!」
真顔…。
正直、褒められても微妙だけど。
表情が乏しいのは、昔から。
しょうがない。
きっと真顔であろう私の首元に、亜里沙(ありさ)は笑いながら細い腕を絡ませる。
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