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「あ!亜美ちゃん!!」
放課後の、昇降口。
大勢のギャラリーの中で、抱きつかれるのも、もう慣れた。
だけど頼むから、勢い余って頭突きするのは止めて欲しい。
痛いから。
172㎝のヒロと170㎝の私じゃ、頭の位置がほぼ同じ。
せまて、角度を考えて。
「亜美ちゃん!亜美ちゃん!会いたかった!」
ヒロは、尻尾をブンブンと大きく振りながら抱きついている。
勿論、本当に尻尾があるわけではないけれど。
「朝ぶりだけどね」
朝、一緒に登校した。
だけど、そんな私の言葉は無視される。
「やっと、今日から一緒だね!!あー。亜美ちゃんのいない一年間は辛すぎた!!」
「…同じ家にいるでしょ」
「放課後は放課後!俺にとって学校は亜美ちゃんがいるから通うの!だから亜美ちゃんがいない学校に通う意味がわからない!!」
「勉強する為」
「何で、同じ歳に産んでくれなかったの!?」
「…それは、おばさんに言って」
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