ユリちゃん
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「・・・というお話だよ。これはある患者さんが書いたものなんだ。」 白衣姿の男はそう言って本を閉じると、車椅子の女の子の頭を優しく撫でた。 「素敵な恋の話だね。ユリちゃんは今どこに居るんだろう。」 と女の子は不思議に思った。 「そうだね。ユリちゃんは・・・今も僕の心の中に居るよ。」 窓から差し込む光が男の顔を照らした。 その顔は優しく微笑んでいた。
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