ユリちゃん

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 それから私達は所謂気まずい関係になってしまった。 偶然廊下で会っても、偶然帰り道で会っても顔を合わせられなかったし、いつの間にかお互い避けるようになっていた。こんなはずじゃなかったのに。 でも、あの時どう言えばよかったのだろうと思う。 私はあなたのことが好きだ。それは友達としてだけれど。 本当のことを言ってもきっとあなたを傷つけて、元のようには戻れない。 それなら告白なんかしてほしくなかったと、私はいつしかあなたを恨むようになった。 そして連絡先も全て消してしまった。 あの頃の私には若すぎてわからなかった。 あのときの告白にどれほどの勇気と覚悟がいったのか。    自分の気持ちに変化が訪れたのは、その年の冬だった。 最近、あなたがいつも同じ女の子と一緒に居るところを度々見かけるようになった。 あなたとあの子が付き合っているという噂は私の元にも届いた。 私に告白したのは何だったのだろう、と寂しい気持ちになった。 そして二人を見かけるたび、何だか胸が痛かった。 これが恋。でも私は自分の気持ちに気が付くのが遅すぎた。 この気持ちを私はそっと胸に仕舞い込み、そのまま中学校を卒業した。 あなたとは離れ離れになったけれど、これでよかったのだと自分に言い聞かせた。 高校に行けばきっとまた新しい恋ができる、そう信じていたからだ。
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