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要するに一目惚れなんだ。
今年の春。
お昼休みに教室から中庭を眺めていたら、あの人がいた。
綺麗な人。そう思った。
ふと、目が合ったような気がした。
ううん、きっと目が合った。
慌てて窓から顔を遠ざけたけど目に焼き付いたもの。
綺麗な……とても綺麗なブラウンの瞳。
真悠子に相談したら、中庭で毎日お昼食べようって言ってくれた。
あの人が先輩で、御子柴さんって名前だってのも調べてくれた。
後は私が声かけるだけだったのに、ずるずると今日まで……。
ごめんね、真悠子。
お弁当の味が分かんない。
ていうか、食欲がちっとも湧いてこない。
お母さんが作ってくれたお弁当なのに。
ごめんね、お母さん。
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