イケメンであるがゆえに

プロローグ

　中学2年生の夏、母がパートの仕事終わりにたまたま買った宝くじが当選し、なんと突然1億円もの大金が手に入ったのである。
　その日の晩、父が仕事から帰ってくると緊急家族会議が開かれて、その使い道を話し合うこととなった。そこで俺が、整形してイケメンになっていじめから解放されたいと言うと、俺がいじめられていたことを知っていた両親は快く聞き入れてくれ、顔の整形手術代として1000万円が支給されたのである。
　俺はそのお金を元に整形手術を受けるため、翌日から通っていた中学を休学し、住んでいた東京の街で1番腕の良い医者のいるクリニックにお世話になることにした。