30歳女教師、15歳女子高生になる。

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30歳女教師、15歳女子高生になる。

折れ目や手垢のついた古い写真のような存在。たびたびそれを取り出して眺めては少し甘いような心地と、それを覆い隠す喪失感を覚える。甘いのは私が彼に恋をしていたからに他ならない。対して、喪失の痛みはもう彼に会うことはないと知っているから生じるものだ。 そんな古ぼけた記憶の中にしか居なかった彼は今、思い出の中の姿のまま私の目の前にいる。 ここは私の過去だ。
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