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シャワーが流れっぱなしの、湯気が立ち上る風呂場で、ねちっこいキスをする。
唾液を拭うのも忘れてひたすら舌を絡ませた。身体の熱が高まって、口の中まで溶けそうなくらい熱い。
撫でられるたびに、ゾクゾクとした痺れが駆け抜けて、だらだらとしずくをこぼしながら、何度も高みへ押し上げられた。
吐き出していないのに、身体ばかりが煽られて、あまりの気持ちよさに我を忘れそうになる。
「先輩大丈夫? ベッドに行こうか? ここでしてると風邪引きそう」
「そんなのいいから、早く」
「うん、俺も早く広海先輩を可愛がりたいけど、ほんと今日は冷えるし。俺に掴まって」
「うるせぇ、いきなり冷静になってんじゃねぇよ」
唇が離れて、ぬくもりがなくなるとひどく口寂しい。与えられていたものを急に取り上げられた気分になる。
しかし熱を求めるように身体を寄せれば、やんわりと引き離された。
それにムッとして目を細めるが、やたらと心配そうな顔をしてくる。
冷静ぶったその顔が気に入らなくて、目の前の身体を力任せに押し離した。そしてなにか言いたげな表情を浮かべる瑛冶を無視して風呂場から足を踏み出す。
頭からつま先までずぶ濡れになっているので、トレーナーと汚れきったボクサーパンツはさっさと脱ぎ、洗濯カゴに放り投げる。
そして適当にバスタオルを掴むと、水気を拭いて裸のまま脱衣所を出た。
「待って、待って! 広海先輩!」
まっすぐに自室へ向かい、ドアノブに手をかけたところでその手を止められる。
焦ったように近づいてきた瑛冶は腰にタオルは巻いているものの、髪からは水滴がこぼれ落ちていた。
とりあえず身体だけ拭いて、飛び出してきたのだろう。
「ねぇ、待って先輩。こんな据え膳、食べ逃すつもりはないよ」
「もう気が失せ、た」
「嘘ばっかり。だって、ここも、ここも、物欲しそうにしてるよ」
後ろから覆い被さるように近づいて、耳元に熱い息を吐きかけられた。
そして伸ばされた手に太ももを撫でられ、反り上がったままの熱を撫でられ、充血して赤くなった胸の尖りをつままれる。
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