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身体をまさぐるように触れてくる両手に、じりじりと焦げている熱情を煽られた。
興奮したような荒い息づかいが耳にはっきりと聞こえ、こらえるように身を縮ませる俺など、お構いなしに追い詰めようとしてくる。
下からはぐちゅぐちゅと湿った音が響き、犯すように舐められた耳からも滴るような水音が聞こえた。
下半身は力が抜けそうなくらい気持ちがいい。
胸の尖りはきつくつままれるほどに、身体をビクビクとさせてしまう。
いつも以上に感じる快楽に、扉に両手を突いてもたれかかる。すると切っ先が扉にこすれてしまい、思わずそこに熱を吐き出してしまった。
「駄目だよ、先輩。こんなとこ汚しちゃ」
「うるさ、い」
「ベッドでたっぷりしてあげるから、行こ?」
「あっ、離せ」
後ろから抱き上げられて、つま先が宙に浮く。ジタバタともがくけれど、腕は弱まるどことか強くなり、後ろから首筋に顔を埋められて肌のざわめきと共に肩が震える。
さらにきつく吸い付かれると、それだけでたまらない気持ちになってしまう。熱は高まるし、身体は疼くし、期待する後ろは浅ましいくらいひくつく。
ベッドの上に少し乱雑に投げ出されて、それを追うように乗り上げてきた瑛冶に、胸の高まりが止まなくなる。
それを知られたくなくて、逃げ出すみたいにシーツの上を這えば、後ろから腰を鷲掴みにされて引き寄せられた。
そしてぬめる舌で孔をたっぷりと舐められて、上擦った声を上げてしまう。
「ぁあっ、ぁっ、んっ……やめ、ろ」
「嫌じゃないくせに。腰が揺れてるよ。ねぇ、先輩。これ試してみる?」
「え? なに?」
後ろを振り向くと、口の端を上げて笑う瑛冶が見慣れないものをちらつかせてくる。それは玉が連なった細長いものと、いかにもな形をかたどったおそらくバイブ。
それを目に留めた瞬間、カッと頭に血が上る感じがして、掴んだ枕を思いきり顔に投げつけた。
「死ね! なんでそんなもん持ってんだよクソが!」
「夜のお楽しみにどうぞって」
小さく首を傾げて笑ったその顔に、ますます腹が立って足を振り上げる。しかし力の入らない、いまの俺に蹴飛ばされた程度では、身体の大きい瑛冶はびくともしない。
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