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ある日、七匹の兄弟は、みんなで原っぱに野いちごを食べに行きました。
「マルティン兄ちゃん、森の奥にはもっと野いちごがあるって、ホント?」
四男のフィリップは、次男に尋ねました。
安全な見通しの良い原っぱの野いちごは、みんなであっという間に食べてしまいました。
「ああ。去年の春、沢山いちごの花が咲いている野原があったっけ」
「兄ちゃん、見に行こうよ。きっと今頃、美味しい実がなっているに違いないよ!」
食いしん坊の三男、マルコが目をキラキラさせて立ち上がりました。
「……ダメだよ。母さんが、森の奥にはオオカミがいるから行っちゃダメだって言ってたじゃないか」
長男のランディは、厳しい顔で首を振りました。
しかし、他の兄弟は「大丈夫」「ちょっとだけだよ」とはやし立て、ついに長男も押し切られてしまいました。
子ヤギ達は、まだオオカミを直接見たことがなかったので、怖さがよく分かっていなかったのです。
野いちごを他の兄弟に横取りされていたチビも、今度こそ腹一杯食べられるかもしれないと思い、ワクワクしながら付いていきました。
子ヤギ達は長男を先頭に一列になって、原っぱから林の中の小路に入り、どんどん森の奥に進みました。
だんだん木々が大きくなり、見上げてもすっかり梢が見えなくなりました。
子ヤギ達は、心細さと宝探しの冒険をしているような期待感を天秤にかけながら、それでも誰かが「戻ろう」と言わないので、ずんずん歩いて行きます。
突然、前方に木漏れ日が射し、木立が開けた広場に出ました。
プーンと甘酸っぱい香りが漂ってきます。
「わああぁー!」
秘密のレストランのように、広場の草原には野いちごが一面に実っていました。
「兄ちゃん、すごい!」
六男のサミュエルが、はしゃいで駆け出します。
他の兄弟も後に続きました。子ヤギ達は皆、夢中になって野いちごを食べています。
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