先輩は私たちのヒーローだ。

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 毎日、休憩時間になったら寝に来る先輩。  いつもあの、張り詰めた空気の中、部長として立っているのはきっと疲れるんだと思う。  なので私でよければ、隠れ蓑に使ってください。そう思っていた。 結局その日は来なかったけれど、次の日の昼休みに彼はやってきた。 「佐々木 澪はいる?」 すぐにクラスの野球部が何人が席を立ち挨拶をするが、丁寧に挨拶を返すと、先輩はまっすぐに私の元へ歩いてきた。 「あれ? 私何かした?」 鋭い眼差しで向かってくる近衛先輩に、何か無礼をしてしまったのか必死で思い出そうとするが分からなかった。 そして私の席の前で帽子を取ると、深々とお辞儀をして右手を差し出した。 「すまない。佐々木 澪」 「はい?」 「制服のリボンを俺にくれないだろうか」 「え、へ、あ、このタイのことですか?」 首元で結ばれたリボンを利触ると、近衛先輩は状態を起こして頷く。 「ああ。甲子園でもその音色を聴いていたい。甲子園で優勝するまで、借りていてもいいだろうか」 突然の近衛からの要望に、ただただ頷くだけで状況が分からないままリボンを渡した。
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