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(これを読んで琴浦さんに対する意識が変わるって、管理官も明野河合も言っていたけど)
スマホを手に取り琴浦に電話をする直前まで操作して手をおろした。ディスプレイには琴浦自身が設定した笑顔の彼の画像が映っていた。
(本人に聞くにしても、私には重すぎる)
桃子は三連休に有給を足して四連休を申請すると、八丈島へ向かう航空券をとった。飛行機に乗ってベルトをしたとき、琴浦に言うのを忘れていたことに気づいた。
琴浦は週末まるまる休みだといっていた。することはないとはっきりいっていたが、さすがに押しかけては迷惑だろうか。
(でももう飛行機に乗っちゃったし)
そこでホテルの手配もしていないことに気づく。とにかく飛行機に乗りさえすればいいと思いこんでいた。
(琴浦さんのところに…でもさすがに迷惑…ううん、そうじゃない)
付き合っているのに、とくに進展のないまま遠距離恋愛になってしまい、どうしていいのかわからないのだ。
しかしもう飛行機は離陸した。もう着陸するしかないのだ。
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