青春

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 私は中学一年生の時、初めて自慰行為をしました。そして、その3カ月後、初めて恋をしました。A子さんです。大好きでした。毎日彼女を見ていました。目が合おうものなら、心拍数が上がりすぎて、貧血になりました。彼女の目を引こうと、部活や勉強を頑張りました。どちらもとてつもなくセンスがなかったですが、”そこそこ”の成績は残せました。とてつもない努力をしました。私は、中二の夏に彼女に告白しました。もちろん振られました。その理由は「不細工」だからだそうです。私は察しました。彼女は、私に何の感情もない。彼女にとって、私は何も関係のない「生物」なのです。その時、私の目に映る彼女は、世間が私という「狂人」に抱くイメージと同じかもしれません。何を言っても通用しない。私の言葉は、行為は、人生は、彼女の中に何の痕跡も残すことはない。決して意味を持たない。そう思いました。  では、私の中にある「思い」は、どこに向かえばいいのですか?どうやったら、無くなるのですか?どんどん大きくなるこの「気持ち」は、何をはけ口にすればよいのですか?そんな疑問が、体中から湧き出してきました。無知な私は答えを急ぎ、短絡的な回答を導きました。私は私であってはならない。違う生命体にならなければならないと思いました。運動ができるようになっても、勉強ができるようになってもダメ。普通ではだめなのだ。「不細工」なのだから普通に生きていてはならない。     
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