I.窓辺の君たちに。

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ぞ……と、寒気がした。 ―――……カァ、カァア――― 聞いた事のない、不安になるような低音が、はっきりと聞こえた気がしたからだ。 「悠十」 「食堂にもいたじゃない」 薬代が走っていった、テーブルのまわりに居たじゃない。 君には見えないかもしれないけど、ずっと、いたんだよこいつらは。 この日、このときが来るまで、ずっと僕達を監視してた。 「『期待できないもの』達を見てたんだよ。それも今日で終わるけどね」 「……何を言って、 」 「薬代は、七限の教室にいるよ」 だから、ちゃんと迎えにいってあげてね。 刹那。 カアアアアアアアアアアアア――――――――――――――― サイレンのようなけたたましい音が、爆発した。
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