I.窓辺の君たちに。

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ーーーーーー 誰もいない教室で、静かに目を覚ます。 むくりと身体を起こし、記憶を探ってみても、どうして自分がここにいるのかわからない。 「あ」 茉也くんはどこだろう。探しに行かなくちゃ。 わたしが動かないと、彼は教室の自分の席から、頑として移動しないんだから。 教室を出ようとした時、違和感に気が付く。 何かが、自分の首に掛かっている。 細い皮紐のペンダントだった。 こんなもの、つけたっけ? その先についているものを見て、疑問が浮かぶ。 そこには、 USBがひとつ、つながれているだけだった。
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