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チャイムが鳴った。
「うん?」
たった今目が覚めたかのような感覚に頭を捻る。
渡り廊下の手すりを片手に、午後のスケジュールは緩やかに流れている。
(移動の最中に寝てた?)
そんな器用な事できたのか、と自分に驚く前に辺りを見回す。
天井の吹き抜けに浮かぶ青空は晴れ晴れとしていて、おかしい。
けれど次には、何がおかしいんだろう?と自身に問いかける。
いつもの校内風景の筈なのに、何故か靄がかかって見える。とても不可思議な感覚だった。
おかしいといえば。
がやがやと行き来する生徒達の隙間に、探し人の影を見ようとする。
次が移動教室なら、薬代がいないのはおかしい。
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