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「知らない天井だ...」
こんな事を言ってみたが、本当に天井なのか分からない程白く、病室の天井では無いことは一目瞭然だった
一時期、転生ものやトリップものにハマって毎日のように小説を読み漁っていたのを思い出す
身体を起こして辺りを見渡しても、目に優しくない白が一面に広がっているだけだ
服にも体にも異常は無いみたいだ
他の人から見れば、落ち着いているように思うかもしれないが、全然そんなことは無い
というか、ここが天国やそれに近しい場所なのだとしたら、神様や天使と名乗る人物が出てきてもいいんじゃないだろうか
「呼んだ?」
「......!」
突然後ろから声がして、振り返る間もなく上から顔を覗かれる
「...いや、呼んではないです」
びっくりして一瞬固まってしまったが、なんとな言葉を返すことは出来た
「なかなか出るタイミング掴めなくてさ~」
ヘラヘラとしながら俺の前に移動する...多分神様
容姿は美形で色白
白髪の髪にウェーブのかかったもみあげ、くせっ毛なのか後ろ髪は外にハネている
いかにも美形にしか似合わなさそうな難しい髪型だ
「それで、要件はなんでしょうか?」
「あぁ、そうだったね、なんと!君には特別に優馬くんと一緒の世界に転生させてあげます!」
「はあ...」
予想していた事が当たって少し嬉しい反面、自分自身が転生したい訳ではなかったから、少し複雑な気持ちだ
「うんうん、あまり驚かないのは分かってたよ!僕は弥生くんの事ならなんでも知ってるからね!」
自慢げに言っているが、別に俺の事を知り尽くしていても得する事は1ミリもないと思う
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