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途端、セラーズは上官の尻をつねり上げた。
「いって・・何しやがる?!」
「それはこっちの科白! やっぱ、ナンパしてんじゃないですか! この浮気者!!」
怒り心頭のセラーズに、呆れたブラックマンは頭を掻き毟った。
「全くお前は・・。オスカー、俺はお前のお陰でそこまで飢えてない。それより、あのキンキラの船の連中を付けるぞ。今から大使館に戻って今後の検討をしよう。一旦帰る、車を回せ」
「・・あのガキは付けなくていいんですか?」
「馬鹿野郎、あんな奴付けてったって時間の無駄だ。上手く撒かれるか、捕まった上情報引きずり出されて海に浮かばされるのがオチだ」
「・・・じゃあ、良いんですね。追わなくても」
「お前を失いたくはないからな。愛してる、可愛いオスカー」
ブラックマンはセラーズの頭を優しく撫で、頬にキスをすると鍵を手渡し、軽くウインクした。
「・・解りました、この話はあとできっちりして貰いますからね」
頭を撫でられ、頬にキスしてもらい・・照れて真っ赤になったセラーズが上官を睨みつけながら踵を返した。
首筋まで真っ赤になったその部下の背を見ながら、ブラックマンは苦笑いした。
(“蒼竜”・・もしかしたら、そいつが・・・・)
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